生クリーム特有の後味の臭さ】

動物性の生クリーム(フレッシュクリーム)は、乳特有の臭さがあり、臭み消しのためリキュール等を少量入れるのがパティシ
エの常識でした。リキュール等を入れることで、違った風味を醸し出す効果もあります。
植物性の生クリームはそれ自体においしい味がないので、リキュールやバニラ等のエッセンスで強めに風味付けをします。
リキュールやバニラ等のエッセンスでの風味付けや砂糖の甘さを強くするなら、動物性の生クリームを使用しても〝乳自体の
持つ風味〟が判らなくなります。乳のコクを求めなければ、コストのため植物性の生クリームで十分です。消費者もその味に
慣らされて、「バニラ等の風味がすればおいしい」と感じる人が多いみたいです。

★最新の〝動物性の生クリーム〟のおはなし
スーパーの牛乳売り場では、いろいろな産地の牛乳を見かけるようになりました。牧場さんの努力・工夫により、牛乳の旨み
が強く、臭みの少ない牛乳があります。
原乳の進歩と乳業メーカーの努力・工夫により、乳特有の後味の臭みのない、おいしい生クリームが存在します。その生クリ
ームなら「臭み消し」は、必要ありません。かえってリキュールやバニラ等を入れてしまうことにより、おいしい生クリーム自体
の味をダメにしてしまうのです。
ただし、ある一部の銘柄のみのお話ですが…。

以前、名の知れたパティシエさんによる乳業メーカーの新商品の動物性の生クリームの紹介を兼ねた講習会に参加した
時のことです。デコレーションケーキに使う生クリームに、当たり前のようにキルシュワッサー(リキュール)を少量入れて
ました。

常識は過去のものです。当店では「素材を生かしたお菓子作り」をしているため、素材の味には特に敏感なんです。
生クリームにリキュール等を入れる場合は、生クリーム自体の味を吟味することから始めます。
後日その生クリームを頂いて評価してみました。リキュールを入れてしまうと美味しい北海道産の生クリームの味が、
せっかくの乳のおいしさが、もったいないと感じました。


あるスーパーの牛乳売り場。10種類以上ありました

 ☆うしゃぎさんのお菓子たちは、すべて 『こだわりの美味しさ』 になってます。よくあるバニラの香りや軽いタイプのケーキを好まれる方は、ご注意ください。
良い素材の持つ味を前面に出した、しっかりとした美味しさにしています。 既存のスイーツに満足されないお方には、特におすすめします。

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【生クリーム選び】

作るケーキにより生クリームを使い分けるのが理想です。ムース系には脂肪分35%前後、ショートケーキ等の絞り出し部分はコクを出すためデコレーションのため脂肪分45%前後、ロールケーキ等では脂肪分40%前後、保型性を考慮したら植物性を。もちろん、銘柄によって生クリームの風味はすべて異なります。
たいていは、修業していた時に使っていた生クリームを使用する場合が多いようです。最終的には、コストと作り手の好み、お店のコンセプトで生クリームを選びます。
●ケーキ屋さんでは、意外と生クリームの使用量は多くありません。1000ml入りの生クリームを使いますが、小さなケーキ屋さんでは使いきれない場合が多いので、主にコンパウンドの生クリームを使ってるようです。必要に応じ、リキュールやエッセンスで変化を付けながら。
●チェーン店やバイトさんがケーキ作りを手伝っている大きなケーキ屋さんでは、たくさんの種類の生クリームを配合したり、使い分けたりすると「ミス」が起こりやすいため、使用する生クリームの種類を限定したり。
●乳のコクだけを求めるなら、動物性の生クリーム(銘柄・味にはこだわらず)を使用したり。
●バニラ等のエッセンスやリキュールで味を強く出すなら、生クリームの味が出ないのでコストで選んだり。
●地方の店では、配送する乳業メーカーが限られるため、入手できる銘柄を使用したり。
●ケーキの売値から原価を計算し、コストの範囲内で銘柄を選んだり。
生クリーム自体をこだわっているお店は、意外と少ないと感じています。

✉info@ushagisan.com
☏ 042-728-4655


講習会で作られたケーキたち。見せ方が、違いますね…。

生クリームのおはなし その③・進歩する生クリーム

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少し前までは、脂肪分が低めの軽い生クリームが主流でした。最近は軽いものより、脂肪分がやや高めのしっかりとした味の生クリームが人気のようです。そして自然派志向の影響か、バニラ等の添加物やリキュールを入れないものが、増えてきたように感じます。また、乳業メーカーではロールケーキを意識した、北海道産の生クリームに力を入れているみたいです。


奥が、最高級のヘビィ。前味のインパクトのあるおいしさは、やはり別格です。
手前が大雪原。北海道産ならではの自然な乳のコクと旨みが、他の素材の味を引き立てます。素材に自信がないのか、このクリームを使いこなしている作り手は少ない(いない)らしい。


 【当店の生クリームは…】

乳本来の持つ味を大切にしています。そのために、甘さ控えめでリキュールやバニラ等のエッセンスは入れません。
そして、おいしさのバランス、味の出方に気を配ってます。前味・中味・後味の調和のとれた味になるよう、数種類を配合して
使っています。

動物性の生クリーム…北海道産2銘柄と特定の原乳から作られたフレッシュクリームを使用。
植物性の生クリーム…保形性のため使用。植物性特有の豆臭さ(業界用語?)のない、マイナスの少ない銘柄を使用。植物
性ですので、おいしいわけではありません。

ケーキの生クリームは、他の良い素材の味を引き立てる〝協調性〟のある、「生クリーム本来の持つ自然な味」を表現して
います。といっても、ケーキそれぞれに合うようにすべて異なる配合、味になっています。保型性が必要な時は、植物性の生
クリームを約1/4配合しています。
ケーキでは出来ない、フレッシュクリーム3種類を配合した「乳のおいしさを強調した」生クリームをクレープで提供しています。
クレープは焼き立ての生地をさましてクレープする(包む)もの、スポンジと違い生地とクリームがなじむことはありません。そ
の場で食べて頂けるため、保形性は必要ありません。生クリーム自体のおいしさを求めるなら、洋菓子界でトップクラスのク
リームです。

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 【生クリームを冷凍すると】

生クリームを泡立てる時に立てすぎると、分離・離水します。分離・離水すると食感が悪くなり、ざらついたり、自然な風味が損なわれたりします。店頭で分離・離水した生クリームのケーキを販売したら、そのお客様は二度と来ないでしょう。それくらい生クリームの扱いは〝シビア〟なものです。
最近ネットショッピングを見ていると、冷凍で送られてくる生クリームのケーキが多いのに違和感を感じます。植物性の生クリームの一部は冷凍できるものはありますが、動物性の生クリーム(フレッシュクリーム)は冷凍すると解凍時に分離・離水します。

冷凍のケーキは、食べたい時に解凍して食べれるので便利です。分離・離水しても気にしなければ、それなりには食べれますから。ただ、冷凍の生クリームで〝乳の本当のおいしさ〟を求めるのは、無理があります。
お店側は売りたいために、売り文句で良いことしか言いません。消費者もおいしいものを求めるのなら、もう少し知識を得るため努力をした方が…と感じます。ヨーロッパなどでは消費者はかなり詳しく、お店側に積極的にいろいろ注文をされます。
生クリームの大まかな味は〝原材料表示〟で分かります。動物性の生クリーム(フレッシュクリーム)以外の表示は「乳等を主原料とする食品」で、大豆由来の乳化剤が添加されてますので「原材料の一部に大豆を含む」というアレルギー表示がされてます。
味は、好みです。スイーツは安いものではありませんので、納得の上でそれぞれのお好みのスイーツを求めれば良いと思います。